切らずに治療する!「シミ・シワ・ニキビ・ニキビ跡・アザ・ホクロ・イボ」最新治療
著者:山本博意
第2章------難治とされていた病気の症状改善や治療が、最新医療レーザーで可能になった
■シミや肝斑は、最適レーザーの組み合わせ治療で最大の効果を
 シミやアザ、ホクロは皮膚のトラブルの代表的なもので、こうした症状が悩みの種になっている方は少なくありません。
 これまでの治療法は手術によるものが中心で、前章で述べたように「治したいが、わざわざ手術をするのは……」といった意識の方が多かったように思います。ところが、現在ではこれらの症状のほとんどは医療レーザーによって改善できるようになりました。
 それも痛みがなく、皮膚のダメージを最小限にして、最大の効果をあげる治療法が確立されているのです。
 まずは、シミの治療から見てみることにしましょう。
 一般的なシミには、三十代ころから現れてくる老人性色素斑と呼ばれるものと、更年期前後によく見られる肝斑と呼ばれるものがあります。
 老人性色素斑は、それまで受けてきた日光の紫外線によるダメージ(光老化)が原因と考えられており、ソバカスと併発することもあります。老人性色素斑は、一部が盛り上がってできる老人性のイボ(脂漏性角質症)になることもありますので注意が必要です。
 このシミは、「老人性」という名称がついていることからもわかるように、加齢に伴って増えてきます。
 一方の肝斑は、ホルモンバランスが崩れることによって出てくるものと考えられていますが、化粧品の刺激やタオルなどの摩擦で症状が悪化することもあります。
 シミの治療には、まずフォトフェイシャル・ファーストによる治療を行うことが増えてきています。フォトフェイシャル・ファーストでは、シミだけでなく、ソバカスやクスミにも有効で、またシミと同時にシワやタルミも改善してくれます。
 肝斑の場合、従来は医療レーザーによる治療は難しいと考えられていました。しかし、フォトフェイシャル・ファーストで改善できたという臨床例が増えてきており、今後研究が進めば、はっきりとその効果が証明されることも考えられます。
 フォトフェイシャル・ファーストだけで取れにくいシミには、シナジーレーザーやタイタン、ジェネシスの組み合わせ治療を行うことがあります。
 たいていの場合、フォトフェイシャル・ファーストと医療レーザーでシミは改善しますが、濃いシミや体質的に取れにくい方にはレーザー・ピーリングやケミカル・ピーリング、パリシアン・ピーリングなどの組み合わせ治療が有効です。
 塗り薬の高濃度ビタミンCローションやビタミンC誘導体のイオン導入、レチノイン酸などを使って、治療や予防することもあります。
 これらの治療では、シミの原因となっているメラノサイトの活性化を抑え、色素沈着の原因を取り除くことで、きれいな肌に戻していきます。
 シミができやすい方は、ソバカスやクスミも多い傾向にありますが、シミ治療によってソバカスやクスミも改善します。

■アザやホクロ、イボもレーザーで治る
 黒アザのなかでもっとも身近なものがホクロです。ホクロは、普通の方でも全身に千個以上はあるでしょうが、顔や首といった目立つ部位になるものや大きなものは治療対象になります。
 以前はパンチでくり貫くなど、外科的な方法で除去していましたが、現在ではCO2(炭酸ガス)レーザーで除去するのが一般的な方法になりました。わたしたちのクリニックでは、術中のダメージが小さく、治療跡もきれいなウルトラパルス・CO2(炭酸ガス)レーザーで治療します。
 イボには、黒アザが盛り上がった色素性母斑や帯状にこまかな褐色のイボができる表皮母斑、シミのなかにできることが多い老人性イボ(脂漏性角質症)など、いくつかの種類がありますが、小さな場合はホクロと同じように、ウルトラパルス・CO2レーザーで異常な部分だけを蒸散させて取り除きます。
 また、ウルトラパルス・CO2レーザーで蒸散させたり、切除するには大き過ぎる黒アザやイボの場合は、Qスイッチ・ヤグレーザーやルビーレーザーを使って段階的に治療していきます。
 茶アザも、発症している方の割合が比較的高い皮膚疾患です。よく見られる茶アザには、扁平母斑と呼ばれるものと、ベッカー母斑と呼ばれるものがあります。
 扁平母斑は乳幼児のころから現れることが多く、褐色(色は濃いものから薄いものまである)の表面が平らになっているアザです。
 一方、ベッカー母斑は思春期のころに現れてくることが多く、大きくなって表面に毛が生えてくることもあります。
 古い機種で茶アザの治療を行うと、アザそのものは治っても、治療跡が目立ってしまうというリスクがありました。しかし現在では、Qスイッチ・ヤグレーザーやフォトフェイシャル・ファーストで丁寧に治療するときれいになります。
 ベッカー母斑で表面に毛が生えているときは、脱毛用の医療レーザーを組み合わせて治療します。
 青アザのなかで代表的なものが、赤ちゃんのお尻に見られる蒙古斑です。これはたいてい、三〜四歳ごろから薄くなり、中学生ぐらいになると消えてしまいます。しかし、背中や手足にできている蒙古斑は、大人になっても残る場合があります。
 それ以外で、よく見られる青アザに太田母斑と呼ばれるものがあり、思春期や三十〜四十代にかけてのホルモンのバランスが崩れる時期に現れます。太田母斑は顔の片側にできることや、男性より女性にできやすい青アザとして知られています。
 太田母斑によく似た青アザに、真皮メラノサイトーシスと呼ばれる、顔の左右対象に現れるものもあります。
 これ以外に伊藤母斑と呼ばれるものもあり、これは太田母斑を併発することもあります。
 たいていの青アザは良性の皮膚疾患ですが、顔にできやすいという特徴があるため、治療を希望する方は少なくありません。
 これまで、青アザの治療は病変部の皮膚を切除して、身体の別の部分から皮膚を移植したり、周囲の皮膚を引き伸ばして切除した部分を覆うといった大がかりな手術が行われてきました。
 しかし現在では、Qスイッチ・ヤグレーザーで治療が可能になり、皮膚の正常な組織への損傷を避けるために、数回に分けて段階的に治療を行います。
 シミやホクロ、黒アザ、イボ、茶アザ、青アザなど、これまで本書で紹介した一般的なアザは多くの場合、良性の疾患です。外観上や心理的な理由から治療を行っていますが、基本的には身体全体の健康を損なうものではありません。
 しかし、単なるアザだと思っていたものが、まれに緊急の治療を要する悪性腫瘍であったという可能性もあるのです。
 急に大きくなってきたアザや、身体のいろいろな部分にできてくるアザ、表面が膿んでいるようなアザなどの場合、できるだけ早く、きちんと専門医の診断を受けなければなりません。
 また、一般的なシミやホクロ、アザなどの皮膚疾患も、日光の紫外線や化粧品などの刺激を受けることで、治りにくくなる傾向もあります。
 異常を感じたら、日焼けや刺激の強い化粧品を避けて、早めに治療を受けることが望ましいでしょう。

■赤アザの治療には、専用医療レーザーが効果的
 シミやホクロ、黒アザ、青アザなどは、色素細胞の異常によって発生するものがほとんどですが、赤アザは血管の異常が原因となっているために、その治療には異常な血管を取り除くという方法がとられます。
 しかし、他のアザなどの原因になる色素と比べて、血管はより皮膚の深い層にあることが多いため、医療レーザーで治療しようとしても、なかなか難しい面がありました。
 以前は切除手術に代わる治療法として、ダイレーザーによる治療が行われていましたが、ダイレーザーはノーマルのパルス長であるため、深い部分の血管にレーザーを作用させようとして高出力に設定すると、周囲の組織が傷つけられてしまうというリスクがあったのです。
 このリスクは、比較的浅い部分の血管部の病変ではさほどでもないのですが、皮膚の深い部分では、治療の大きな障害となっていました。
 ところが最近になって、赤アザ専用の治療器として開発されたシナジーレーザーが登場しました。
 シナジーレーザーの画期的な点は、深い部分にある病変や太い血管の病変にまで、きちんとレーザーのエネルギーが届いて効果が出るということと、大きな効果があるにもかかわらず、他の組織へのダメージが最小限に抑えられるということがあげられるでしょう。
 大きな効果が得られる理由は、古い型のダイレーザーが、ノーマルのパルス長しか持たないことに対して、シナジーレーザーはロングパルスやウルトラパルスに近い長いパルスで、レーザー光が出力できることにあります。
 長いパルスによって、深い層にある病変部や太い血管の病変にまできちんとエネルギーが届き、そのことにより異常な部分をきれいに蒸散させることができるのです。
 皮膚の他の組織へのダメージが小さくなったことにも理由があります。
 それは、健康な組織が損傷しないように、レーザー光とともに冷却と鎮痛効果のあるガスが噴射されるというクールダウン機能がついているためです。
 こうした新機能により、シナジーレーザーはノーマルのダイレーザーより、はるかに満足できる治療が可能になりました。
 実際の治療では、シナジーレーザーを間隔をあけて数回にわたって照射します。深い病変や色が取れにくい部分が残る場合は、症状に合わせて他の医療レーザーなどと組み合わせて治療を行うこともあります。
 組み合わせ治療では、静脈瘤などの治療を行うロングパルス・ヤグレーザーやKTPレーザー、フォトフェイシャル・ファーストにプラスしてシナジーレーザーを使うこともあります。

■赤ら顔や毛細血管拡張症も専用医療レーザーで改善できる
 赤ら顔は、赤アザほどはっきりした症状ではありませんが、赤アザよりも悩んでいる方が数多くいらっしゃいます。医学的には、毛細血管拡張症という病気で、顔の皮膚の赤みが目立つ程度の軽症から、血管が浮き出たようにみえたり、腫れ上がって見える重い症状まであります。
 心理的な負担となる可能性もあり、気になるのなら治療をお勧めします。
 赤ら顔の治療は、これまでは塗り薬や内服薬が中心となっていました。しかし、長期間こうした治療を続けても、効果が出にくいという難点があったのです。
 ところが、シナジーレーザーの登場により、ほとんどの症状が改善できるようになりました。赤ら顔の治療の場合も、より大きな効果を期待する場合、フォトフェイシャル・ファーストや他の医療レーザーを組み合わせて治療することもあります。
 頬が赤く染まった、いわゆる“リンゴ頬”や鼻が赤くなっている“酒さ”なども、赤ら顔の仲間に分類してよいでしょう。酒さの場合、鼻が腫れ上がったようになり、毛穴が開いてくることもあります。
 こうした症状も毛細血管が増殖したり、血管内の血流が盛んになって起こる症状ですので、赤ら顔と同じ方法で治療できます。
 酒さになりやすい方は、毛穴が開いて皮脂の分泌が盛んな脂性肌(いわゆるオイリー・スキン)であることが多いため、フォトフェイシャル・ファーストで脂性肌を改善してから、シナジーレーザーで赤みを取るとよいでしょう。この治療では、「赤く、てかった鼻」の悩みも改善することができます。

■下肢静脈瘤にならないうちに早期の治療を
 最近では、足(太股、膝の裏側、ふくらはぎなど)や手の甲などに、青い静脈が浮かび上がるという症状を訴える患者さんが増えてきました。その多くは、三十代以上の女性の方です。
 こうした症状は、以前では美容師や販売員などといった、いわゆる“立ち仕事”の職業病として知られていたのですが、最近ではヒールの高い靴を履いたり、ストッキングを着ける方が増えていることもあって、一般の方にもかなりの頻度で見られるようになってきています。
 静脈が浮き出る症状は、老化と深い関係があります。老化に伴って血管の弾力が失われたりするほか、血管が詰まることで血行障害が発生し、血液が溜まって静脈がふくらんでくるのです。太り過ぎや食生活の偏り、運動不足なども、この症状を悪化させる要因となっています。
 浮き出た血管は、「見た目が気持ち悪い」「恥ずかしくて、スカートがはけない」という、美観上の悩みと直結しています。
 見た目がクモの巣状になることや、網の目状になることもありますので、こうした問題が本人にとって大きな悩みとなるのですが、医師としては健康上の問題が気になります。
 というのも、こうした方は足がむくみやすい、足がつりやすい、痛みやしびれがある、などの症状が起こりやすいからです。特に足が冷える季節になると、こうしたトラブルが起こりやすくなってしまいますので注意が必要です。
 高いヒールを履くことの多い方や年配の方は、こうした症状を放置しておくと、階段や段差などで転んでしまい、骨折やねんざなどのケガをしてしまうこともあります。
 浮き出た青い血管の症状が進行してくると、下肢静脈瘤という病気になってしまいます。実際に、わたしたちのクリニックでも、「血管が目立ってきているのですが……」と訴える方を診察や検査してみると、かなり重症の下肢静脈瘤であることが少なくありません。
 下肢静脈瘤が進行して潰瘍などができてしまうと、長期間の治療が必要になるため、下肢静脈瘤にならないうちか、なってしまっても軽症のうちに治療するほうが賢明です。
 治療の目安としては、血管の太さが七ミリ以下であれば、ロングパルス・ヤグレーザー、シナジーレーザーで改善することができます。シナジーレーザーは足だけでなく、顔や手に浮き出た青い血管も治療できますので、気になる方は一度、カウンセリングを受けることをお勧めします。

■白斑・乾癬の医療レーザー治療、最先端の「ウルトラ・エックス」新登場
 白斑は、「白なまず」と呼ばれることもある皮膚の病気で、皮膚の一部が白くなるのが特徴です。 白斑には痛みやかゆみはなく、他人にうつることもないので、放置しておいても特に健康を害するおそれはないのですが、顔や首、腕などといった他人の目に触れる部分にできれば、大きな心理的な負担を招いてしまうことも少なくありません。
 疾患に関して知識がない人から、「病気がうつる」などと言われて心が傷つけられるケースもあるようです。
 この白斑は、皮膚の色素であるメラニンを生成する細胞(メラノサイト)の異常から起こることがわかっています。メラノサイトの機能が低下するとメラニンが生成されなくなって、皮膚に脱色したような白い疾患ができるのですが、はっきりした病因については不明なことが多いのが現状です。
 白斑の治療法は、いくつかの治療法が行われています。副腎皮質ステロイド剤療法や紫外線照射療法(PUVA療法)、あるいは表皮やメラノサイトの移植手術などが治療法として行われてきましたが、なかなか治りにくい病気として患者さんを悩ませてきました。
 紫外線照射療法(PUVA療法)とは、オクソラレンという薬を塗布、または服用し、その後に比較的安全な波長の長い紫外線(UBA)を照射する方法です。紫外線の働きで、メラノサイトを活性化させて、皮膚のメラニンを増やし、白斑を消していく療法です。近年では中波長紫外線のうち、ごく狭い範囲の波長を照射するナローバンドUVB療法が普及して効果をあげてきています。
 しかし、最近になってハーバード大学のウェルマン研究所で開発された白斑治療専門のレーザー「ダブルエックス」や、さらに白斑に対して著しい効果を発揮するレーザー治療法「ウルトラ・エックス」が登場して、最先端の白斑治療として脚光をあびるようになってきました。
 こうした医療レーザーによる治療では、病変部だけをターゲットにして光線を照射するので、
 ①正常な細胞や組織に紫外線によるダメージを与えない
 ②一度の治療でナローバンドUVB療法より大きな効果が得られる
 というメリットがあります。
 最先端の医療レーザーは、現在ではまだわずかの病院にしか治療機器が設置されていませんが、今後の白斑治療においては主流となっていく治療法だといってよいでしょう。
 この白斑治療に有効な最先端レーザーは、乾癬の治療にも高い効果があります。乾癬とは、赤く盛り上がった皮疹ができ、白いフケや垢、かさぶたが付着する症状です。乾癬をこすったり刺激を与えたりすると、広い範囲にひろがってしまうので、注意が必要です。この乾癬も、最先端レーザーを使用して白斑治療と同じように治療することができます。

■妊娠線や帝王切開の跡、キズ跡・手術跡に効果的な「スカーレーザー」新登場
 医療レーザーや光線療法が、ホクロをはじめとする黒アザや茶アザ、青アザ、赤アザ、あるいは白斑・乾癬といった皮膚疾患の治療にとても有効なことは、これまで述べてきたとおりです。しかし、最近では皮膚疾患以外にも、医療レーザーや光線療法が治療に使われていることをご存じでしょうか。
 ここでは、当院で行っているスカーレーザーによって、はん痕を美しく改善する治療を紹介することにします。
 昔は、妊娠線や肉割れ、外傷や火傷の跡、盲腸や帝王切開などの切開手術跡、フェイスリフトや豊胸、ワキガ、脂肪吸引などの手術跡などは、レーザーによって美しくできるとは考えられていませんでした。
 しかし、現在、最先端の医療レーザーや光線療法のなかには、こうしたはん痕の改善にも適応するものがあります。なかには、最先端の医療レーザーや光線療法(スカーレーザー法)でしか改善できないものまであります。
 妊娠線は、出産経験がある多くの女性にとって、「できれば無くしたい」、あるいは「きれいにしたい」ものでしょう。妊娠線とは皮膚の繊維構造が損傷し、まるで裂けたような模様がはいってしまったものですが、太った方の腹部や下半身にできた肉割れ(ストレッチマーク)も同じような症状といえます。
 妊娠線や肉割れによっていったん皮膚に痕がついてしまうと、やせても痕は消えないことがほとんどです。この痕が、大きな心理的負担になってしまうのです。
 事故やケガ、火傷によるキズ跡やその治療のための手術跡、あるいはケロイドが「無くなれば」、「きれいになれば」と思っている方もいらっしゃるでしょう。盲腸や帝王切開、あるいは骨折や内臓疾患の治療などのための切開手術跡をきれいにしたいと希望する方も少なくありません。こうしたはん痕は、美観的な問題と「痛い・怖い」などの記憶と結びつく心理的な問題から、目立たないようにしたいと希望される方もいらっしゃいます。
 さらに最近では、他院で「美しくなるために」受けたはずのフェイスリフトや豊胸、ワキガ、脂肪吸引などの手術なのに、その手術跡が新たな悩みの種となっている方も増えてきています。現在では美容外科情報が一般的なものとなってきたために、手術跡によって治療内容が他人にわかってしまうこともあります。
 こうした手術跡は、手術をしたことを他人に知られたくないときは、アザなどの皮膚疾患と同じか、場合によってはそれ以上に心理的な負担となってしまうこともあります。
 最新の専用医療レーザーや光線療法(スカーレーザー法)では、こうした妊娠線や肉割れ、事故やケガ、火傷のキズ跡・ケロイドや手術跡、盲腸や帝王切開などの切開手術跡、あるいは美容外科手術の切開跡などを、かなりきれいに改善することができます。
 しかも、現在の最先端の医療レーザーや光線による治療技術では、こうした皮膚に残ってしまったキズ跡やはん痕を、入院や切開なしに美しくすることができるのです。
 妊娠線や肉割れといった白いはん痕とキズ跡や切開手術の跡のような赤みがさしたはん痕、あるいは凹凸があるはん痕など、はん痕の種類によって選択するレーザーや光線は異なります。また、同じ症状でも、体質や皮膚の質に合わせて治療回数や照射時間なども変える必要があります。
 そのため、こうした治療においては、治療を受ける際に、まず自分の症状に最適な治療機器がそろっているか、症例の治療実績があるかといった病院・医師選びが重要となってきます。
 最先端の医療では、治療機器の有無が治療法の選択を左右するのです。また、最新の治療機器であればあるほど、臨床経験によって医師の治療技術に差が出てきます。こうした新しい治療分野では、治療施設と治療する医師の情報を事前にきちんと確認することが重要となってくることを心に留めておいてください。

■イレズミ、アートメイクを安全に、きれいに取る方法
 イレズミやアートメイクのほとんどは、茶アザや青アザの治療に使用するQスイッチ・ヤグレーザーで安全、かつきれいに取ることができます。それもそのはずで、Qスイッチ・ヤグレーザーは、もともとイレズミ除去用に開発された機種だからです。
 最近では、カラフルなイレズミが増えてきていますが、Qスイッチ・ヤグレーザーだけできれいに取れない場合は、他のレーザーを組み合わせることもあります。
 医療機関以外でも、イレズミ除去ができると宣伝しているところがありますが、医学的な知識や技術を持たない人間がレーザー照射を行うと、皮膚の変色やはん痕が残るなどのトラブルが発生しがちです。
 後悔しないためにも、安全性が確立されている病院で、きちんと治療することをお勧めします。
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