医師による切らない
「赤ら顔・赤アザ・キズ跡・浮き出た青い血管」の専門最新治療
著者:山本博意
第2章------赤アザ、赤ら顔の症状と治療法
あなたの症状は、どんな症状ですか?
 ここでは、赤アザや赤ら顔で悩んでいる方、またニキビ跡、キズ跡・ケロイド跡、妊娠線、肉割れ、浮きでた青い血管、目の下のクマが気になる方に、自分の症状はどんなものなのか、ということを理解してもらうために、簡単にそれぞれの症状について説明しておきます。
 実際に治療を受けるときは、医師が診断し、最適な治療法を提示して、相談の上で治療計画を立てていきます。しかし、まだ治療を受けたことが無いという方や、ある病院で治療を受けたけれど、治療結果が思わしくなかったという方は、新たに治療に臨む際の参考にしてください
 ここで書かれている症状は、すべて「切らずに医療レーザーで治療できる」のです。

赤アザの種類と症状
 一般に赤アザといわれる皮膚疾患は、医学的には血管腫と呼ばれています。つまり、皮膚の血管・毛細血管の異常が赤アザなのです。血管腫は表皮の表面そのものがキズついているのではなく、皮膚の真皮層の血管が病変を起こしているのです。
 なぜ血管に病変が起こるのかという原因はよくわかないところも多いのですが、もちろん他人に「感染する」ことなどはありません。  赤アザ(血管腫)ができる部位は、顔、腕、足、などが多いのですが、全身どの部位にもできます。小さいものもあれば、顔を覆うような大きいものもあり、大きさはまちまちです。
 アザの色には、薄いピンクに近い色もあれば、黒っぽい濃い赤色もあり、まちまちです。
 大きく分けて、表面が盛り上がっているものが、「イチゴ状血管腫」という赤アザで、表面が平らなものが「単純性血管腫」という赤アザです。
 なお、発生割合は少ないのですが、海綿状血管腫などでやわらかい腫瘤ができている場合は、表面が膿んだりすることがあるので、このような症状が出ている場合には、なるべく早めの治療をしなければなりません。

●イチゴ状血管腫
 イチゴ状血管腫は、新生児・乳幼児のころに発症することが多い赤アザで、生後一週間ぐらいから、ときには生まれたときから現れます。
 生まれたての赤ちゃんのときからできることが多い赤アザなので、患者さんは保護者の方に連れられて病院へ来るケースがほとんどです。診察後、保護者の方に「医療レーザーで治療できる」ということと、「年齢とともに色が薄くなり、消えることもある」こと、二つの選択肢を説明すると、ほとんどの保護者の方は医療レーザー治療を希望されるようです。
 イチゴ状血管腫では、毛細血管や血管の細胞が異常増殖して表面が盛り上がってくる症状が特徴なのですが、盛り上がってきたアザの表面がイチゴに似ていることからイチゴ状血管腫と呼ばれています。
 生後一ヵ月ぐらいしてアザが盛り上がってくることが多いのですが、盛り上がる前にレーザー治療を行うと、治療後の皮膚がきれいな状態で治る可能性が高くなります。保護者の方は、赤アザに気づいた時点で専門医の診察を受けて、早期の治療を検討することをお勧めします。
 年齢とともに赤みが薄れていくこともありますが、隆起したアザの跡や、アザが縮んだ跡が皮膚に残り、アザの色が薄くなってもかなりの確立で、皮膚の形状にアザの跡が残ります。こうした跡が残るリスクを小さくするためにも、なるべく早い治療が望ましいと考えるのです。
 赤アザは顔面の半分ぐらいにも及ぶ大きいものもありますが、顔を大きく覆うようなケースでは、口や鼻、眼がふさがってしまう危険性もあるので特に注意が必要です。
目をふさぐようなアザでは、視力の低下や失明の危険があり、また口や鼻をふさぐアザでは、呼吸がしにくくなったり、乳や食物の摂取を妨げてしまうこともあるので、必ず専門医の診断を受けるのが賢明です。
 また、アザから膿が出るような場合や潰瘍のようにグチュグチュしている場合は、良性の血管病変ではなく、悪性の病気である可能性もあるので、放置せず一刻も早く病院へ行かれるほうが良いでしょう。

●単純性血管腫
 イチゴ状血管腫は表面が隆起している赤アザですが、表面の盛り上がりが見られない赤アザが単純性血管腫です。
 単純性血管腫はイチゴ状血管腫のように、自然に消えることはほとんどなく、年齢とともに、薄い色からだんだんと赤紫色や褐色に近い濃い色になることが多いようです。
 単純性血管腫は、表皮の毛細血管が病変を起こすことが原因となって発症します。理由はわかりませんが、男性より女性に見られることが多い赤アザで、顔や首という目立つ部位に発症しやすいので、治療を希望する方がほとんどです。
 年齢が若いほど表皮(皮膚の表面の層)が薄く、しかもレーザーの光が病変部に吸収されやすいため、治療効果が上がることが多いので、なるべく早い治療が望ましいといえます。もちろん、年配の方の濃い赤アザも治療できるのですが、若い方のほうが少ない治療回数や短い治療期間でよくなる可能性が高いのです。

赤ら顔の種類と症状
 赤ら顔は、顔の皮膚を通る毛細血管が拡張して、顔にほてったような赤みがさす症状です。医学的には、毛細血管拡張症と呼ばれる皮膚疾患です。りんご頬、酒さなども毛細血管拡張症という病気の一つの症状です。
 りんご頬は、頬がりんごのように真っ赤に見える症状で、寒い場所と暖かい場所の行き来が多い寒冷地出身の方に多く見られます。
 酒さは、毛穴が開いて鼻が腫れたように赤くなる症状です。赤みだけでなく、ブツブツができて隆起することもあります。毛細血管拡張症は、一般に女性に多い症状ですが、酒さは男性に見られることが多く、年齢とともに症状が悪化することもあります。
 酒さは、毛細血管拡張症の一種なのですが、悪化して重症になると、ブツブツができたり、腫れあがったりして、鼻が変形してこぶができたように見えることもあります。
 「酒さ」という名前からもわかるように、お酒を飲んでいなくても飲んでいるように思われることがあります。

その他の症状
●ニキビ跡の症状
 近年、十代だけではなく、二十代以降もニキビで悩む人が増えてきました。いわゆるアダルト・ニキビと呼ばれる、「大人のニキビ」です。
 精美スキンケアクリニックでは、十代のニキビや二十代以降のアダルト・ニキビには、レーザー、光治療、PRP(血小板皮膚再生法)、ケミカル・ピーリングやキュアルミックス(ホームケア用)、高濃度ビタミンC療法、体質改善サプリメントなどトータルなニキビ治療を行っています。
 こうしたニキビで悩んでいる人は、ニキビそのものと、たとえニキビが治ったとしても、その後に残るニキビ跡に悩まされることが多いのです。「クレーター」や「夏みかんの皮」と呼ばれることもある、皮膚表面のデコボコです。
 これまではニキビ跡ができてしまうと、一生治ることはありませんでした。しかし、現在では、ニキビ跡は治療できる症状となりました。
 このニキビ跡で、赤みがさしている症状も、レーザーで治療可能です。また、赤みは取れたり、なかったりしても、皮膚のデコボコが残ることもあります。こうした皮膚表面のデコボコもレーザーで改善できます。
 ニキビが進行中の方も、ニキビが治ってニキビ跡が気になる方も、医療レーザーを中心とした治療が可能なのです。

●キズ跡・手術跡、ケロイド跡
 医療レーザーは、皮膚疾患の治療だけではなく、切り傷や擦り傷、あるいは手術の切開痕や縫合の跡、火傷やキズ跡のケロイドもきれいにすることができます。
 特に交通事故や内臓系の疾患の開腹手術などは、事故や病気という当時の苦しい記憶が、キズ跡や手術跡を見るとよみがえるので、きれいに治したいと希望することもあるようです。
 また、最近は、他の美容外科で受けたフェイスリフトやワキガ、脂肪吸引という手術の跡を目立たなくしたいという方も増えています。美しくなるために美容外科手術を受けても、手術跡が気になるようでは、何にもなりません。しかし、精美スキンケアでは、こうした手術跡をきれいにする治療も行っています。
 キズ跡や手術跡、ケロイドで、赤みが差しているものは、赤アザや赤ら顔の治療と同じように、まず医療レーザーや光治療で、赤みを取ることで治療します。
 治療できるのは、赤みだけではなく、赤みがない場合や、赤みが取れた後に皮膚表面が変形している場合も治療可能です。

●妊娠線、肉割れの治療
 出産経験がある方で、下腹に妊娠線が残っている方は多いでしょう。妊娠線はほとんどの妊婦にできるともいわれ、下腹にもっともできやすく、お腹や胸、お尻や太股にできることもあります。
 妊娠線を気にされる方は意外と多く、入浴や水着になるとき、あるいは異性に肌をさらすときに、妊娠線を隠すことが癖になることもあります。しかし、現在の医療レーザー治療では、妊娠線を目立たないようにきれいにすることが可能です。
 経産婦の方には、妊娠線だけでなく帝王切開の跡が残っていることもあるでしょう。でもご安心下さい、帝王切開の跡も妊娠線や肉割れと同じように医療レーザー治療できれいにすることができます。
 肉割れも妊娠線と同じように、皮膚の弾力の限界をこえて身体が急激に大きくなり、皮膚の組織が裂けたものです。肉割れは急激に太ったときなど、身体の大きさに皮膚の弾力がついていかずにできてしまいます。
 せっかくダイエットした後にも太っていた痕跡が残ってしまいます。また、出産経験がないのに、肉割れが妊娠線と間違われて、経産婦と思われてしまうケースもあり、こちらの方が妊娠線より悩みは深刻かもしれません。

●下肢にあらわれる浮き出た青い血管
 三十代以降の女性のなかには、加齢とともに足に青い血管が浮き出て見える方がいらっしゃるでしょう。この症状では、「スカートがはけない」「血管が浮き出て気持ちが悪い」という点から治療を考える方もいるでしょう。
 これは下肢静脈瘤と呼ばれる病気の初期段階です。妊娠・出産や更年期などのホルモンバランスの変化にともなってあらわれやすい症状です。足が鬱血しやすい立ち仕事の人や、足がむくんだりだるくなりやすい人にも多く見られます。
 こうした症状があらわれる原因は、血液の循環がスムーズにいかなくなって起こります。血管には弁がついており、血液の逆流を防いでいるのですが、この弁の働きが悪くなって、足の下から上へ流れるはずの静脈の血液が下の部分に固まってしまって、静脈瘤がおこります。
 放置して症状を悪化させると、炎症を起こしたり潰瘍などができることもあります。そうなってしまうと、長期の治療が避けられなくなるので注意が必要です。

●目の下のクマ
 目の下のクマは、下まぶたが黒ずんでふくれるように垂れ下がっている症状です。「顔がとても老け込んで見える」「病人や病み上がりのように不健康に見える」ため、治療を希望する方が多い症状といえるでしょう。
 目の下のクマは、皮膚の老化が複合的に起こってできてきます。皮膚の弾力が失われて深く長いシワができ、やがて皮膚が筋肉から離れて、垂れ下がるほどのタルミとなります。ここに脂肪がたまってふくれ、さらに皮膚の色が黒ずんで見えることになります。
 浮き出た青い血管や目の下のクマは、美容的な観点から近年治療を希望する方が増えてきています。なぜなら、どちらの症状も実年齢よりかなり老けた印象をつくりあげてしまうからです。アイ・メイクを考えればわかりますが、目は顔の表情を大きく左右するのです。
 似顔絵を描くときに、目の下にクマを描きいれると、たちまち顔は十歳以上老けて見えます。反対に目の下のクマを治療して消せるなら、顔が若返って見えるのは当然でしょう。ですから、この症状の治療は、効果の高い若返り治療の一つといえるかもしれません。

体験談2------最新医療レーザー治療のダメージの少なさにびっくり (一九歳・学生)
 わたしは生まれたときから頬に赤いアザができていました。わたしのアザを治療しようと、両親は病院へ連れて行ってくれました。まだ四、五歳のころだと思うのですが、大学病院からの帰りの車の中で、手術をするべきだという父と、顔にメスを入れるなんてありえないという母が、激しく言い争いをしていた記憶があります。
 幼稚園はそうでもなかったのですが、小学校へ行くようになると、アザのことを毎日のように言われるようになりました。子どもの言葉は「呪い」だとか「魔女の印」だとか、「前世のたたり」というのもありました。
 泣きながら母に、学校でからかわれていることを言うと、聞いている母まで泣き出し、二人で泣いていたことを今でも覚えています。
 こうして赤アザに悩まされ続けていた私ですが、転機は四年生の夏休みのとき、大学病院でレーザー治療を受けることにしたのです。当時の旧式のレーザーだったせいか、治療後は青紫になってしまったので、夏休み中は外に出ることはなかったように覚えています。約一年半かかって四回ぐらい治療したでしょうか、色は全部消えなかったのですが、かなり薄くなりました。
 しかし、これ以上は治療しても良くならないと担当医に言われ、病院へは行くことがなくなりました。
 その後、露骨ないじめはなくなりましたが、クラス替えや中学校へ進学しても、他人の視線が必ずアザに向けられるので、アザがある方の顔を隠すように横を向く癖がついてしまいました。
 しかし、中学二年生の時、母がたまたま観ていたテレビで赤アザ治療専用のレーザーがあることを知り、小学生のときの治療で残った色を取る治療を受けることにしました。治療を受けた精美スキンケアクリニックは、赤アザ専門のレーザー治療を前からやっている病院でした。
 そこで数回治療を受け、大学病院でも取れなかった色が、ほとんどわからなくなるぐらいにまで消えました。
 今の私は、顔にアザがあったことを忘れてしまうほど、勉強、アルバイト、遊びや恋にも充実した毎日を送っています。アザがある人には、「一日でも早く治療して、アザのことを気にしないでいられると、楽ですよ」と伝えたいです。

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