医師による切らない
「赤ら顔・赤アザ・キズ跡・浮き出た青い血管」の専門最新治療
著者:山本博意
はじめに
 この本では、赤アザの最新治療をメインに、赤ら顔(りんご頬や酒さなどの毛細血管拡張症)治療、そしてそれ以外にも様々な-----ニキビ跡、キズ跡・ケロイド跡、妊娠線、肉割れ、下肢などによくあらわれる浮きでた青い血管、目の下のクマ-----症状の治療について触れました。
 実は、わたし自身も子どものころ以来、手首に大きなアザがあり、周りからの視線の痛みや、本人の心理的負担はよく理解できるのです。そして、自分が医師となってから、レーザーで実際にアザを治療したことでコンプレックスが解消できる喜びを感じ、かつての自分と同じ痛みを持つ方の悩みを解消できる一助として、レーザー治療を行っています。
 こうした自分の経験も踏まえて、わたしはアザのレーザー治療に15年以上前から積極的に取り組んできたのですが、なかでも赤アザ治療は、美容皮フ科の専門医師であるわたしにとって、「やりがいの大きい治療」の一つです。なぜなら赤アザは、治療を希望する患者さんの心理的負担がとても大きい皮膚疾患だからです。顔や腕といった部位にできることが多い赤アザは、血液の赤い色が人目につくので、治療を希望される本人や保護者の方の悩みが大きなものとなりがちです。
 治したいという願いも切実なため、医師としては、何とかその願いに応えられないかと思うのです。
 幸いなことに、ほとんどの赤アザは、現在では治療可能な皮膚疾患となり、治したいという願いは、ほとんどの場合叶えられるものとなっています。しかも、昔のように、赤アザの治療に、麻酔をかけてメスを入れ、皮膚を切除するという手術は必要ありません。医療レーザーで十分治療可能なのです。
 最近になって、これまで赤アザ治療に使われてきたノーマルの色素(ダイ)・レーザーよりも、一段と進化して治療効果が高くなった最新レーザーが登場しています。ノーマルの色素(ダイ)・レーザーでは、治療後に青紫の色素沈着が起こるケースが多かったのですが、最新の赤アザ治療専用レーザーでは、そうしたデメリットも改善されており、なおかつ治療効果も高くなっています。
 そのおかげで、従来治療効果が出にくかった皮膚の深い部分の疾患や、疾患で隆起したり変形したりした皮膚の整形もかなりきれいに治療できるようになりました。
 2回から数回の通院治療、しかも精神的身体的負担が少なくなった医療レーザー治療で、気になる赤アザの治療が可能なのです。
 最初に不安そうに診察を受ける患者さんが、2回目、3回目に来院されるとき、そして治療が完了したときの晴れやかな表情を見ると、いつも「医師冥利(みょうり)に尽きる」気がするのです。
 赤アザだけではありません。りんご頬や、酒さなどの「赤ら顔」、ニキビやニキビ跡の赤み、目の下のクマ(茶色、青色も)や、浮き出た青い血管も、今はレーザーできれいにすることができます。
 もし、赤アザやこれらの症状が少しでも気になるなら、治療について考えてみることをお勧めします。正しい治療を受けることができれば、ほとんどの場合、あなたの悩みは解消できるのですから。

精美スキンケアクリニック 院長 山本博意